プラトニック・ラブ
え…?
キス…?
何が…?
何を…?
嫌がっているはずなのに逃げることができないでいるあたしを見て、何か思い出してようにポンと手を打ち付けると、ニヤっと怪しい笑みを見せてきた。
「お前、キスしたことないだろ?」
「ッ!!!」
ば…バレタ?!
慌てて俯いた、あたしの頭上から意地悪な言葉が降ってくる。
「ってか彼氏いたことないだろ?」
「………っ」
絶対気づかれたくない。
それこそガキだってちゃかされるに決まってる。
笑われて…ポイ捨てされるかもしんない。
今の顔を見られたら、図星だって確実にバレる顔をしていると思ったから、あたしは俯いたまま。
すると迅はふっと穏やかに笑みを零すと、あたしの頭に手を乗せてきた。
そのままなでなでと撫でてくる。