プラトニック・ラブ
二人きりの夜
「わおっ!」
思わずそんな声が出てしまった。
良い匂いが漂う空間。
目の前に並ぶのは、食べたいっと本気で思っていたあの豪華な料理の数々。
やっぱりあたしがワンピースを着たくない、などとグズグズしていたせいで遅れてしまった様子。
今更になって本気で申し訳ないことをしてしまったと後悔と反省。
「早く来い」
迅はドアの前でボーっとしているあたしの手を引き、机へと向かっていく。
あれ?
1つ気づいたのは、夕飯の場所がこの前と違うということ。
この前は迅も英二さんとあっちの家で食べていた気がする。
この部屋はあの部屋ほど広くはないけど、普通のリビングから比べれば数倍デカイ。
「………」
そしてやはりあたしの席と迅の席は遠い。
この前の迅と英二さんほど遠くはないけど遠い。
軽く5メートルくらいある。