プラトニック・ラブ
「あ…!」
そこには驚いた表情であたしを見つめる海さんがいた。
あたしは反射的にペコリと頭を下げる。
そんなお洒落して椅子に座ってるあたしを見て、海さんは声を上げた。
「どうしてここにいるのっ?!」
全く変わっていなかった。
あたしは何て言ったらいいのか分からずに、苦しいながらも顔に笑みを貼り付ける。
どうしてどうしてを連呼する海さんに、突如、
「海、こっち来い」
迅はそう言うと海さんを手招きした。
海…?
あたしはその言葉に疑問を持った。
海さんは「何だよー」っと言いながら迅に近寄る。
すると迅は海さんの耳元で何かを呟いた。
ここからじゃ遠くて聞こえない。
あたしには関係のないことなのに気になった。