プラトニック・ラブ
けれど、
「片付けられるだろうが」
ちょっと怒りの篭ったようなその声に、迷惑をかけているんだと気づいたあたしは意を決して大人しく迅の膝の上にお邪魔になることにした。
迅は小さく息を吐くと、
「分かんないなら最初から訊け」
そう言ってあたしの右手にナイフ、左手にフォークを持たせた。
そしてその上から自分の手を重ねる。
グンっと近くなった―――密着したあたしの背中と迅の胸。
分からないって気づいてくれたのか。
そう思って助かったと思う反面、どうしてこうなったのかという疑問が出てきた。
あたしの手に手を添える迅。
あまりのドキドキに身動きできなくなってしまった。
すると突然迅はあたしの肩に顎を乗せると、
「俺が教えてやる」
笑みを含んだその声と同時に、あたしの耳を甘噛みした。