プラトニック・ラブ




「ひゃあっ!」



ビックリしてビクンっとビクつく体。


あたしのその反応に、迅は小さく笑うと手を動かし始めた。



ハンバーグ。


普通にファミレスとかで売ってそうな大きさのハンバーグだけど、ファミレスに行ったことがないあたしに切り方が分かるはずがない。



右手でナイフ。


左手でフォーク。


フォークで軽く押さえながらナイフで切る。



…めんどくさ。



「今、めんどくさとか思っただろ?」



「おっおお思ってないよ!」



きっとバレてるだろう。


一瞬迅が笑った気がした。


けれど「ふーん」と小さく頷くだけで何も言わなかった。



食べやすい大きさに切って食べる。


ハンバーグを口にするだけでここまでやらなきゃいけないのは凄く面倒。



正直誰にも見られてなかったらフォークを突き刺して齧ると思う。



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