プラトニック・ラブ




「残しちゃダメだよ」




少し顔を後ろに向けながら言う。


すると迅は声を上げて笑うと、



「もう叩かれたくないから残さない」



なんて言うから、



「あ…あれは本当に申し訳なかったです…」



謝っておいた。


あれはあたしも痛かったけど、迅さんも同じくらい、いや、むしろあたし以上に痛かっただろう。



迅さんの分の料理を完食すると、



「瑠璃のとこ行くよ」



そう言ってあたしを立たせた。


何故か分からないけど手を繋いで向かう。


あまりにも自然すぎて、喚くことすら忘れていた。



「あ、そうだ」



突然何かを思い出したかのように迅が言った。


あたしは「?」と、顔を迅に向ける。



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