プラトニック・ラブ
寝起きの良いあたしはすぐ通常通りに戻る。
迅は面白そうに笑うと、
「一番下に下りていって、ずっと右に行ったところの突き当たりだから」
そう言うと本棚から分厚い本を取り出して読み始めた。
一緒に入るとか…マジじゃなくて良かった…。
あたしはホっと安堵すると、ドアを開け風呂場に向かった。
後ろで迅が笑いを堪えていることなど知らずに。
随分珍しいことをしてしまった…。
あたしは髪をグシャグシャと掻きながら階段を下りて行く。
ベットに入らずに寝てしまうなんて珍しい。
いつものあたしだったら絶対しないことだ。
「…疲れてんのかも」
はぁ、と息を吐き出す。
いきなり覚醒したせいか、頭が痛い。
というか、慣れないソファなんかで寝ていたせいで体中が痛い。
慣れないことはするべきじゃないと思った。