プラトニック・ラブ




壁に設置されているシャワー。


銭湯みたいなイスにタライ。


そして何より、真ん中にドドンっと置いてある広すぎる湯船。



あたしは目を輝かせると、駆け出した。



「すごいすごい…っ!!」



テレビで見たことしかない銭湯。


それが今、目の前にある。



あたしは目を輝かせてキョロキョロ見渡した。



湯船につかろうと思ったけど、まずシャワーというのを思い出したから体を洗ってからにすることにした。



確かこれ礼儀。


マナーだったはず。



興奮のあまり眠気は消え、ワクワクと胸は躍っている。



体を洗い終わり、ザブンっとダイブしたあたしはやはり子供。


誰もいないことを良いように、バタバタとバタ足をしながら行ったり来たりを繰り返す。


浅い温泉プールとしか思えない。



興奮はマックス。


怪我だけしないように注意しながら、あたしは気が済むまで泳ぎまくった。




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