プラトニック・ラブ




ひぃ!っとあたしは顔を引き攣らせ、同時に後退しながら叫ぶ。



「へ、変態…ッ!!」



そう言ったあたしの言葉に迅は眉間にシワを寄せると、これまた平然と笑顔を取り戻し言う。



「変態? まぁ否定はしないが?」



「ッ!!!」



大事な試合で負けたような、そんな悔しさが込み上げてくる。



どうしても勝てない。


何を言っても勝てない。



「ほ…本当に嫌だ…っ」



泣き言みたいに言い出したあたしの頭をポンポンと叩くと、とても楽しそうに笑ったまま、



「諦めろ」



そう言った。


ズバっと言った。



あたしは言葉が出ずに口をパクパクさせるしかなかった。



…勝てない。



5歳という差はここまで出るもんなのかと悔しくなる。



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