プラトニック・ラブ
何も言わないあたしに、迅は小さくため息を零すと、
「じゃあいい」
そう言ったっきり何も言わなくなってしまった。
あたしは布団から目だけを覗かせる。
またそうやって…あたしを試してるんでしょ…?
分かっているはずなのに〝じゃあいいよ〟その言葉が胸に突き刺さる。
深く深く突き刺さり、息苦しくなる。
これは罠だって分かってるのに。
試してるって分かってるのに。
全て全て分かってて、それでも心惹かれる。
あの体温が好き。
ゆっくりと流れてくる温度が好き。
だから逃げられない。
心が彼に結ばれてる。
この罠にあたしはもう―――はまってる。