プラトニック・ラブ
「………迅」
あたしは馬鹿だ。
あたしは阿呆だ。
さっきまであった何かが音をたてて壊れる。
近づきたい。
触れたい。
そう思っている自分がいて、驚いた。
けれどドキドキしすぎて向き合うことなんてできなそうだったから、迅に背中を向けた状態のままズリズリ手足を使って後ろに移動する。
迅が真ん中まで来ていたせいか、すぐに背中同士がぶつかった。
それだけなのにドキンっと跳ねる心臓。
こんなんじゃもたないに決まってる。
あたしの背中と迅の側面が密着。
なのに迅は何も言わない。
ほらね…試してる。
くっ付いてるだけなのに緊張する。
一緒のベットにいるだけで緊張するのに、こういうのは本当ハードすぎて参る。