プラトニック・ラブ




やっとのことでまずは社長さんの隣へ。



あたしは練習したとおりに小皿を並べていく。



手汗がヤバイ気がする。


全身の穴から汗が噴出しているような感覚。



あたしが皿を並べている間、社長さんは何も言わずに食べ続けている。



少し悲しい。


お母さんだったら「ありがとう」と言って笑顔を見せてくれるのに。



「………」



格が違うと何もかもが違うのかもしれない。



なんだか寂しい。


毎日こんな食卓なんだろうか。



小皿を並べると頭を下げて、次は息子さんのところへ。



眩暈がしてきやがった。


こんなことをやっていたら寿命が縮まるんじゃないかと思う。




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