プラトニック・ラブ



顔を上げ、前の席の美沙を見つめる。


美沙はあたしの方を向いたまま、口をパクパクさせて目線で何かを訴えていた。



あたしはその美沙の視線を追うようにして宙に視線を向ける。



「いい加減にしろッ!!!」



そっちの方が早かった。


パシンっと教科書で頭をはじかれた。



痛いな!




――――…



「とんだ目にあった…」



「瑠璃ちゃんが授業中に寝るなんて珍しいね?」



あたしは机に突っ伏し大きく息を吐き出す。



寝不足。


理由は1つ。



一緒に寝始めて1ヶ月ちょっと経った。


未だに慣れない。



これしか理由が見つからない。



ってかあんなのに慣れなんて絶対ねぇッ!!!



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