プラトニック・ラブ
「鞄とかは取りに行かせたから心配すんなよ」
そのまま先生に渡されたあたしの靴を持ってお礼を言うと、外へ歩き出す。
そのまま裏門に止められているリムジンに乗り込んだ。
気づいた。
裏門にリムジンを止めたのは、あたしのため…でしょ…?
変に注目されるのを嫌っていることをきっと迅は知っているんだ。
そういう優しさがあたしの心を揺らす。
どうしようもなく触れたくなる。
「一旦寝ろ」
そう言ってあたしを寝かせると額に手を乗せた。
冷たくて気持ち良い。
あたしは言われるとおりそのまま目を閉じ、少し眠ることにした。
気づかれないように、何故か湧き上がってきた涙を隠しながら―――…