プラトニック・ラブ




迅は社会人。



忙しいことなんて分かってる。


今も仕事かなにかでいないのだろう。



曇り空のように心が曇る。


胸が苦しくなって不安になる。



分かってる。


子供のあたしに構ってられないって。



分かってる。


迅の傍にいるのはあたしだけじゃないって。



分かってる。


あたしは〝特別〟なんかじゃないって。



全部全部分かってて、それでも不安になって、いてもたってもいられなくなってしまった。


どうしようもなくなったあたしは、ベットから抜け出すとフラフラする体を何とか立て直しながら部屋を出た。



そんなことをする理由はひとつだ。



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