プラトニック・ラブ
一目でいいから顔を見たくなってしまった。
なんて重症だ。
ぽつんと立ち尽くす。
この広い家に1人取り残されたような、そんな感覚が襲ってきた。
このまま誰も助けてくれないんじゃないか。
迅は帰って来ないんじゃないか。
よく分からない勝手な想像ばかりしてしまう。
〝このデカイ家に1人は寂しい〟
そうあたしに言った、迅の気持ちが今なら分かる。
確かに寂しい。
そしてコワい。
誰かと肌を寄せ合いたくなる。
「迅…」
よく分からない。
涙が込み上げてきた。
視界が涙で滲む。
前がよく見えない。
迅…会いたい…。