プラトニック・ラブ
顔を伏せようとしたとき、
「瑠璃っ!?」
床にペタリと力なく座り込む、あたしに優しい声が届く。
「…迅…」
迅を視界に捕らえたと同時に、目からは涙が止まることなく溢れ出した。
涙は頬を伝って床に落ち、カーペットに斑点模様を作っていく。
迅は慌ててあたしの元に駆け寄ってくると声をかけた。
「ど、どうした?! どっか痛い?!」
やっぱりあたしは甘えちゃう。
迅が優しすぎるから甘えちゃう。
出会った頃の迅は嘘のように消え去り、今はこんなにもあたしのことを心配してくれる。
迅はそんなすごく優しい人だと思った。
あたしは涙をボロボロと零したまま、嗚咽で言葉が出なかったから首をフルフルと左右に振った。
顔を見ただけで胸が温かくなる。
スッと何か、不安な感情が消えていく。
あたしは倒れこむように迅に体を預けた。