プラトニック・ラブ
抱きしめる勇気なんてない。
けれど近づきたい。
そんなあたしの精一杯の行動だった。
「…瑠璃?」
迅は驚いたような声を上げながらも、未だに泣き止まないあたしの背中を擦ってくれる。
「迅…どこ行ってたの…?」
ウザくてごめん。
面倒な奴でごめん。
でも我慢できなくて。
「ん? 探してたの?」
あたしはコクコクと首を縦に振る。
そんなあたしの頭を撫でると、何やら持っていたビニール袋を漁りだした。
あたしは迅から体を離し、涙を拭うとビニール袋を見つめる。
「頼んだんだよね。 んで今取りに行ってた」
そう言って迅はビニール袋の中からたくさんの物を見せてきた。