プラトニック・ラブ
「何が食べれるかなーっと思って、プリンとかリンゴとかアイスとか、食べやすそうな物を買ってきてもらったんだけど」
「本当だ…たくさん…」
あたしはスンっと鼻を啜る。
突然迅は何かを取り出すと、あたしの額にくっ付けた。
「…っ!」
「俺あんまりこれ好きじゃないんだけど、ないよりマシでしょ?」
そう言う、あたしの額には冷えピタが貼られていた。
あたしはそっと額に触れる。
「んーと、飲む?」
そう言って差し出されたスポーツ飲料を、ありがたく受け取った。
渇いてた喉が潤っていく。
あまりの飲みっぷりに「随分喉渇いてたんだね」って笑われた。
迅は全ての物をビニール袋へと戻すと、あたしを抱えて階段を上り始めた。
「風邪ひいてる人は寝てなくちゃダメでしょ」
「…ご、ごめんなさい」
改めて考えると馬鹿したと思う。
必死すぎて何も考えられなかった。
相変わらず突っ走ってしまう性格は変わらない。