プラトニック・ラブ
あたしは大人しく毛布に包まったまま天井を見上げる。
よくよく見ると、こんなにも天井が高かったのかと気づいた。
ベットは寝惚けても絶対落ちないだろうほどデカイし。
何もかも…凄いよなぁ…。
あたしは毛布を鼻の下まで持ち上げると目を閉じる。
まるで夢の中にでもいるかのよう。
こんな夢みたいな現実があたしに訪れるなんて、迅に出会う前のあたしは思いもしなかった。
あの日、櫻井グループのお手伝いとしてここに来なかったら変わらなかっただろうあたしの人生。
冷や冷やバレないように怯えながらしながら、バイト生活で終わるはずだった高校生活。
気づけばあたしは櫻井グループの息子の妻。
…すげぇよな。
ふと真剣に考えると、これな長い夢なんじゃないかと思うことがある。
笑えないそんな現実がここにある。
「笑えないよなぁ…本当」
あたしの声は広い空間に溶けて消えた。