プラトニック・ラブ




そこで気づいた。


迅が言った言葉。



〝寝れてないんでしょ?〟



さっきその言葉を訊いたときはそんなことなかったけど、今思い出すと引っかかる。



何でそれを知ってる…?



熟睡してたら寝返りをうったくらいで起きるわけがない。


あたしが寝れなくて寝返りをうってることを知るわけがない。



何で…知ってる…?



普通なら知らない。


分かるわけがない。



なん…で…。



気づいてしまった。


迅もあたしと一緒で寝れてないんだ。



あたしは迅の手を挟むように上から自分の右手を添える。


温かくて安心する。



緊張してるのは―――あたしだけじゃない?



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