プラトニック・ラブ
「ん…っ」
ピクっと動いた指先。
起きたのか、目を擦ると小さくあくびをした迅はやはり眠そう。
そのまま大きく伸びをするとあたしを見た。
視線が合った瞬間驚いたように肩を上げる。
「あ、起きた?」
「うん…寝ちゃってごめんね」
「ううん。 俺も寝てた」
そう言うと大きくあくびをした。
そんな迅を見つめると少し胸が痛む。
熟睡できないけど一緒に寝たい。
でも迷惑をかけるくらいなら別々の方がいいに決まってる。
寝転がるあたしの髪に触れるとそっと撫でてくる。
あたしを見つめる瞳は優しい。
迷惑はかけたくない…。