プラトニック・ラブ




「…寝れてないんでしょ?」



迅は突然あたしが言ったこの言葉に無表情になる。


でも一瞬だけ驚いたように目を見開いたのを、あたしは見逃さなかった。



迷惑はかけたくない。


でも。


でも…。



あたしは目を伏せたまま唇を噛む。


迅は「噛まない」そう言ってあたしの唇に触れると口を開かせた。



笑う迅さんにあたしは頬をほんのり染める。



「はは、可愛い」



迅はベットに頭だけを乗せてあたしを見つめたまま髪を梳く。


そのたんびにドキドキする。



迅はあたしの髪を梳き続ける。


たまに頬に触れると「まだ熱いね」って小さく笑う。



顔が熱い。


体中が熱い。



この熱は風邪からくるものなのか。


それともドキドキからくるものなのか。



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