プラトニック・ラブ
あたしばっかりドキドキドキドキして緊張してる気がして悔しくてムカつく。
きっと迅はあたしの限界を超えるまでこうしてるんだろう。
…また試されてる。
だから負けてなんかやらない。
「んで? いいことって何?」
「あ、うん…えっと…」
あたしはこのドキドキを何とか沈めようと浅い呼吸を繰り返し、
「手…繋いで寝る」
我ながら良い案だと思うから、ちょっと自信満々に言ってみた。
抱き合うことがドキドキして寝れないのなら、手を繋いで寝ればいい。
お互い思っていることは一緒。
夢の中に辿り着くまで、誰かの体温を分けていてほしいだけ。
「そうだね。 そうしようか」
「…いい考えでしょ?」
上目で見つめて言うあたしに、
「夜中抱きついてたらごめんね」
満足そうに笑いながら言うと顔を離した。