プラトニック・ラブ




しばらくすると、迅は何かを持ってきた。


しゃがみ込んであたしに見せ付けるように傾けると、自信満々に言った。



「どう? わりとできるでだろ?」



お粥だった。


真っ白いご飯に卵や青野菜などが添えてあって食欲をそそる。



正直ビックリだ。



「…真っ白ご飯だけのお粥を予想してた」



あたしは上半身を起こしながら正直に言う。



「冷蔵庫に余ってた野菜を切ってのせてみただけだが」



子供みたいにグーっと親指を突きたて見せ付けてくるその姿が何だか新鮮で、しかも迅に合わなくて、あたしは思わず噴出してしまった。



クスクスと笑うあたしに、迅はムッと眉間にシワを寄せると、



「全部食えよ」



そう言うとレンゲに煮込んだご飯を乗せると、フーフーと息を吹きかけ始めた。



ちょ…ま…っまさか…。



予想的中。



< 518 / 800 >

この作品をシェア

pagetop