プラトニック・ラブ
「はい、あーん」
確実に面白がっているであろう迅は、ニヤリと笑うとあたしの口元に持ってきた。
「ま…待って! あ、あたし自分で食べれるから!!」
そう言って奪おうと思ってもスイーっと避けられてしまう。
ベットの上にいるあたしがどう頑張っても避けられた迅に手が届くはずがない。
「俺が食べさせてあげる」
「結構!! そのくらい自分でできる!!」
「じゃーあげない」
拗ねたようにそう言うと、パクっと自分の口にほおりこんでしまった。
そんなツーンっとそっぽを向いてあたしが食べるはずのお粥を食べてる迅を、あたしは口をポカンと開けたまま見つめる。
匂いがする。
食べ物の匂いがする。
ジワっと込み上げてきた唾を飲み込む。
ズルイ…。
ズルイズルイズルイ…っ!!!
歯を食いしばりながらジーっと睨み付けることしかできないあたしを見て、迅はふっと微笑むと再びこちらに体を向けてきた。