プラトニック・ラブ




それなりに小学生の頃や中学生の頃は陰口と言ったり言われたりしたことはある。


あたしはそういうことを特に気にしない人間だから、へっと無視していた。



今もそうすればいいだけの話。


へって思って無視すればいいだけ。



なのに何かがつっかえたような、体の中心が熱くなるようなこの感じは何なのだろう。



あたしは得体の知らない、この気持ちの悪い気持ちを押し込めようと奥歯を噛み締め、




「…失礼しました」




頭を下げて呟く。



怒りか何なのか。


声が震えてしまった。



あたしの声色に反応したのか、それとも態度に反応したのか。



一瞬だけ横目であたしを見て、次の瞬間には何も語らない無表情な顔と冷ややかな瞳を料理へと移していた。





< 52 / 800 >

この作品をシェア

pagetop