プラトニック・ラブ
「はい、あーん」
3度目のこの言葉。
あたしはレンゲをジッと見つめたまま体を少し前に出して、この際開き直って口を開け食べようと―――…
――ひょい。
…―――ガチンッ。
「………」
は?
歯と歯が音をたててぶつかる。
口の中にご飯の感触はない。
あたしは目を見開いたまま、視線をゆっくりと上げていく。
「残念」
ニッコリと笑うその顔。
今すぐにでもブン殴りたくなって、ギュッと拳を固めると、
「嘘だよ」
片方の手であたしの下顎を押さえると、微かに開いた唇の隙間にご飯を流し込んだ。