プラトニック・ラブ




「………っ」



少なくとも苦しめた。



あたしが。


迅を。



ねぇ…どこに行ったの…?



何故だか急に不安になった。


何かに心を浸食されたような気持ち悪さを覚える。



ふと脳裏をよぎったのは海さんの笑顔。



幼馴染だと海さんは言っていた。


だからお手伝いをしているとき、あんなに冷静だったのかと今更ながら思って納得した。



仲が…良さそうだった。



あたしに訊かれちゃダメなような会話をしていた。


そんな会話があるなんて百も承知だけど、何故か胸がざわつく。



海さんの元にいっちゃったりしないよね…?



急に変な不安に駆られた。



苦しい。


意味もなく泣きたくなる。



迅と海さんが並ぶと、あたしより断然海さんの方がお似合いに見える。


あたしみたいなガキはどう頑張ったって辿り着けない。



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