プラトニック・ラブ



海さんがいんじゃん。


海さんと結婚すりゃあいいじゃん。



だって…だって、そうでしょ?



自分勝手だと分かってはいるけれど、込み上げてくる苛立ちを抑える術をあたしは知らない。



知らない。


だから抑えられない。



気づいたときには頬に涙が伝っていた。


初めて気づいて、ハッと方手で頬を押さえる。



なに泣いてんだ…あたし。



怒っているのか。


悲しんでいるのか。


よく分からない、このモヤモヤする気持ち。



海さんの笑い声を右耳で受け取る。


迅の少し怒っているような声を左耳で受け取る。



胸が苦しい。


痛い。


痛いよ。




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