プラトニック・ラブ




あたしはお母さんと瑠子のためならやっていける。


あたしと迅は好き同士じゃない。



大丈夫。


大丈夫…。



あたしは少し何かを勘違いしていただけ。



平気。


頑張れる。


ちょっと我慢すればいいだけ。



平気。


あの日あの時自分自身で決めたことじゃないか。



あたしは腕で涙を拭いて立ち上がると、2人に背中を向けて歩き出した。



気づかれないようにすり足で。


バレないように気配を消して。



もう涙が流れないように、必死に堪えて。



堪えて堪えて。


もう…。




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