プラトニック・ラブ
あたしは部屋に飛び込むと、触れられないようにベットの一番端っこに入り毛布に顔を埋めると目を瞑った。
体をなるべる小さくさせて、存在を小さくしてみる。
明日、迅が笑顔で笑ってくれますように。
明日、変わらない笑顔で笑えますように。
どうなってもいいと思う気持ちもあるけれど、今はこの関係を壊したくないという気持ちが強い。
これ以上親しくならなくていい。
この曖昧な関係を保てればいい。
そう強く願ってギュッと目を瞑り、満たされたお腹で寄って来た眠気と葛藤することなく、すぐに今日何度目かの眠りについた。
――――…
ふと。
何かの温度を感じて目を薄く開ける。
寝る前までついていた淡い光は消え、部屋は闇色に包まれている。
ゾクッと足元から何かが這い上がってくるような奇妙な感覚になり、迅と触れられない今、自分で自分を温めるしかないと思って寝返りをうとうとしたときだった。
気づいた。
感じた温度は―――手のひらの温度。
迅の手とあたしの手が繋がっていた。