プラトニック・ラブ
上半身を起こすと、近くにあったペットボトルに手を伸ばした。
やっぱり迅は気が利く。
あたしは有難くそれをいただいた―――時。
「………トイレ」
したくなった。
気づくと物凄くしたくなるという、人間の体は不思議。
あたしはベットから這い出ると、急いでトイレへと向かった。
用を足してトイレから出た瞬間。
「瑠璃ちゃん?」
「うおゎっ!!!!」
突然の横からの声に、あたしは可愛くない野太い声を出すと飛び上がった。
「ビックリした?」って申し訳なさそうに笑うその人。
「う…海さん!」
あたしは慌てて声をあげた。
この家には今誰もいない、という感覚があるから、こうして突然人が現れるとかなりビビッてしまう。
心臓はバクバク激しく動き出し、あまりの衝撃にフラッとなったけど必死に耐えた。