プラトニック・ラブ



苦しい。


辛すぎる。



昨日見てしまった、迅と海さんのツーショットが頭から消えない。



カッコいくて可愛くて。


誰からも好かれてそうな、海さんとこうして一緒にいる自分が恥ずかしくて悲しい。



あ、やばい。


…泣く―――…



「う…海さん! あっあたし行くところあるんで失礼します!」



あたしはそう言うと、海さんの返事も訊かずに駆け出した。



後ろからは海さんの驚いたような声が聞こえてくる。


あたしは何も考えずに、ただここから逃げるために走った。



今は海さんの顔を見たくない。


笑い顔を見てしまうと、あたしの中の黒いものが溢れ出てきそうになってしまう。



〝幼馴染〟



そう言った海さんを疑うわけじゃないけど、苦しくなって泣きたくなるのはどうしようもない。



海さんは凄く良い人。


不安でしょうがなかったあたしを勇気付けてくれた人。



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