プラトニック・ラブ




「もう一回言ってみて」



「な…何で?」



「借りてくるよ?」



ひぃ!!



面白がってわざとだって分かってるのに、こう言われてしまったら終わりだ。


冗談だと思うけど、何だか本気で借りてきそうな怪しいニオイがする。



迅のことだから借りてきそう…!!!



だから言った。


丁寧に言った。




「…借りて来ないでください」



ボソっと呟いた声に噴出した迅。


何だか物凄く恥ずかしくなって、顔が隠れるように毛布に埋めた。



…ムカつく。



迅はそんな拗ねたあたしのあやすように頭を撫でながら、



「分かったよ」



そう言ったからあたしは毛布から顔を出して、



「本当?!」



嬉しそうに声を上げ再度訊く。



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