プラトニック・ラブ
三山は手すりにぶら下がるように全体重を預けている。
今にもゲロリンしそうな三山に、こっちがハラハラしてしょうがない。
だから言ってやる。
もう1度言ってやる。
「吐くなよ?」
「…吐かないってのに」
「後処理は自分でやってくれよ?」
「吐く前提で話を進めるな」
今にも吐きそうな体勢をしてる奴にそんなことを言われたくない。
「吐くなよ?」
「しつこい」
本気でキレられそうだったからもうやめることにした。
お互い気分が悪くて、話が終わったのと同時に会話もなくなってしまった。
三山は壁に背を預けて座っている。
あたしはそんな汚いことはできないから立ったまま。
無言の空間。
誰も来ない。
聞こえるのは行き交う車の音だけ。