プラトニック・ラブ



三山は暫く黙ると、



「じゃあしょうがないな」



そう言葉を漏らした。



「うん…」



意味もなく頷いたあたしは何なのだろう。


泣きたくなる、この気持ちは何なのだろう。



すると三山は急にあたしと向き合うように立ちなおして言った。



「でもさ、今まで通りにってことになったんだろ?」



「…うん」



深谷は頷いてくれた。


あたしの自分勝手に承諾してくれた。



だからこうして今も仲良くできている。



「仲良くしようぜ」



突然の意味深な言葉にあたしは首を傾げる。


三山はふっと笑うと正面を向きなおし、



「深谷は皆川が大好きだから」



残酷なことを言った。



ズキンっと疼く心。


嬉しがるところなのかもしれないけれど、今のあたしには喜べるものじゃない。



< 633 / 800 >

この作品をシェア

pagetop