プラトニック・ラブ
「…瑠璃?」
驚いたような声が耳元で聞こえる。
途端にあたしは我に返り、慌てて首に回している手を離した。
な…何てことをしちゃったんだ?!
「あ…えっ、と…ご…ごめんなさい…っ」
あたしは慌てて謝る。
迅は不思議そうな顔をしたままあたしを見つめている。
「いや、別にいいんだけど何かあった?」
その優しさが辛い。
胸が痛くなる。
優しくしないで。
そんなことは思わない。
けれど優しくされるとそれだけ依存してしまうから、いつか別れが来るのなら優しくしないでほしいとは思ってしまう。