プラトニック・ラブ
彼の温度は優しくて温かい。
警戒することなく、逆に落ち着くことができる。
だから最初っから彼と接触することができたのかもしれないと、今思う。
変に警戒しなかった。
怪しいともなんとも思わなかった。
ただ真っ直ぐだっただけ。
鼻をすするあたしの頭にポンと手をのせ、佐藤さんは相変わらず優しい声色で言う。
「だったらそれを真っ直ぐつたえたらどうだ?」
「真っ直ぐ…?」
「結果がどうとかそういうのばっかりを気にしてるんじゃないか?」
その言葉が突き刺さる。
よく分からないけれど、佐藤さんのことはエスパーだと思っておくことにしようと思った。
考えて考えて。
変に先読みしすぎて戸惑っているところがあるのは知ってる。
それでも傍にいたいと強く思ってしまうから、回って回って様々な想像を繰り返してしまう。