プラトニック・ラブ
「そんなことを繰り返していて、本当に大切なものがなくなってしまったらどうするの?」
本当に…大切なもの…?
「その関係が大切なら大切と、好きなら好きと、言葉にしなきゃ始まらない。終わりが来るのはそれからでしょ?」
美沙の言うとおりだ。
始まらなきゃ終わらない。
最初から終わるものなんてない。
〝好き〟と伝えることによって始まるのならば、美沙の言うとおり伝えなくては始まらないし続かないし終わらない。
「後先のことはどうにかなる。まずは結果を考えることよりも大切なことがあるでしょ?」
どうして美沙はこんなに強いんだろう。
どうしてあたしはこんなに弱いんだろう。
美沙の言葉がゆっくりと流れ込んでくる。
そうだ、美沙の言うとおり。
あたしは迅が〝好き〟なんだ。
どうしようもなく〝好き〟なんだ。