プラトニック・ラブ




「えっ、と……迅…?」



あたしを抱きしめる迅。



表情を伺うことができない。


声も発してくれないから、迅が何を思っているのか全く分からない。



緊張なのか不安なのか、ドキドキ高鳴る胸を抑えながらあたしは迅の言葉を待つ。



すると迅はゆっくりと口を開けた。




「俺のほうが先に好きになったよ」



「…え?」




「瑠璃のこと…少し前から知ってた」



あたしはその言葉に暫し考えこむ。


考えて考えて。




あたしが迅と出会う前から迅はあたしのことを知っていた?




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