プラトニック・ラブ




「だから機会を伺ってた。 そしたらバイトに来たもんだから驚いたし笑った」



小さく笑う迅。


あたしはう…っと言葉に詰まる。



あたしは迅に引き寄せられるようにして、自ら走り出してしまっていたらしい。


引き寄せられるがままにした結果が今なのか。



「じ…迅、最初酷かったじゃん…」



「……だからな、本当に驚いたんだって」



「そ…そうだったのか…」



「それと試したってのもある」



「試した…?」



「そう。 心の芯が通っていないような奴だったら今までの想いはなかったことにしようと、ね」



最初の出会いは衝撃的。


それこそ今までにないくらいの衝撃だった。



それが今こうして抱きしめられているような関係になっているんだから、未来って何が起こるか分からないもんだなと思い知らされる。



すごいな、なんて人事のように思ってしまった。



「悪かったと謝っておくべきだろう。 貧乏だということを調べさせてもらい、それを利用した」



ここでさっき言っていたことが繋がる。




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