プラトニック・ラブ



縛り付けたというのは、こういうことだったのか。



婚姻届。


その1枚で正式に夫婦になる。



迅が言う〝縛る〟というのは婚姻届でということだったのか。



「悪かった」



確かに迅の言うとおり、始まりは〝縛る〟だったのかもしれない。


けれどそれはあくまでも始まりだ。



しかも言うなら、あたしも迅を利用させてもらっていることになる。


実際今こうして生きてこれているのはあの〝始まり〟のおかげだ。




「迅」



「ん?」




あの日の〝始まり〟が全てに繋がっている。


今、ここに。



思い出したことがある。


あたしはずっと迅に伝えたくて、それでも伝えていなかったことがあったんだ。




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