プラトニック・ラブ
「ありがとう」
感謝の言葉。
伝えたかったこと。
「〝恋〟を教えてくれてありがとう」
迅と出会わなければ知ることがなかったかもしれない〝恋〟。
それを教えてくれたことに感謝したかったんだ。
「利用しあっていたのはお互い様でしょ?」
「そうなるのか?」
「そうだよ。だってじゃなかったら今あたしの家族は死にそうになっていたかもしれないんだし」
そう言って笑えば迅も笑った。
なんだ…なんだ。
正直な言葉を伝えればこんな簡単に済んでしまうのか。
なんだか一気に心の重りが落ちた気がする。
心が軽くなった。