プラトニック・ラブ
「これは…いらないな」
ポロポロと涙を溢し続けるあたしの背中を優しく撫でながら、迅はふと言う。
なんのことか分からない。
黙っていると迅はあたしを離し、それを手にした。
「え…?」
見上げる。
迅が手にしていたのは婚姻届。
その紙を手にして言った迅の言葉に、あたしは戸惑った。
なんで…?
いらないの…?
ドクドクと、心臓が妙に騒ぐ。
変な胸騒ぎは気のせいであってほしい。
苦しい。
怖い。
怖い、聞きたくない。
だってどうして?
どうして…?