プラトニック・ラブ
多分迅は気づいている。
あたしがそんなことを言うためだけに声をかけたんじゃないんだって。
気づいてるでしょ?
ただ話しがしたかったの。
それだけ。
ただ単純に。
「そうか。それは楽しみだ」
そう言って笑う。
ただそれだけのことなのに嬉しくて嬉しくて、あたしは満面の笑みを見せた。
「早く帰って来てね」
「あぁ」
なんとなく夫婦みたいだと思ったら少し恥ずかしくなった。
夫婦じゃないけれど、夫婦みたいなそんな関係。
あたし達の関係に名前は存在しないかもしれない。