プラトニック・ラブ



さすがに伝わったんだろう。


後頭部に回る力が緩んだ隙に、あたしは勢いよく立ち上がっては慌てて距離を取った。



「はぁ…はぁ…っ」



ダッシュをしてきたんじゃないかと疑うほど上がった息。


酸素を求める金魚のように、あたしは大きく酸素を吸い込む。



し…死ぬかと思った!



そんなあたしをきょとんとした瞳で見つめる迅。


涙目になりながら睨むと大笑いをしだした。



「…!!」



「鼻で息しろよ」



む…無茶を言うな!


そんな言葉すら言えないほど息が上がっていた。



そんなキスはいきなり反則だとしか思えない。


鼻で息をしろと言われても、あの状況でどうしたらいいのか分からない。



…初めてですからね?



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