プラトニック・ラブ
なんだろう?
さっき傍に置いた鞄をガサゴソ漁って何かを探している迅。
そんな迅をあたしは横から盗み見る。
何が出てくるんだろう?
お菓子か何かだろうか?
少し漁り、そして見つけたのだろう。
両手のひらで包まれている〝何か〟。
まさか。
そんなはずがあるんだろうか。
だって。
だって。
あたしの前で閉じられている両手のひら。
あたしは暫しその手のひらを見つめ、そして迅の顔へと視線を移す。
「それ…なに?」
疑問を口にする。