ma Cheri


寄り道をしていたせいか家に着いたのはお昼近くだった。
がちゃりと部屋のドアを開けるとまたあの人の写真が目に入った。
そしてそっとその写真に触れてみる。

この優しい笑顔は誰に向けているのだろうか。
やっぱりママなのか。


「あれ?シェリちゃん、帰ってきてたの?」


家のドアを開けて顔をのぞかせたのはママだった。
看護師をしているママは毎日忙しい日々を送っている。


「ん。ちょっとね。ママは?今日は早いんだね。」
「また夜から夜勤なの。でも夜勤前にシェリちゃんにあえてよかった。」

そういってママは幸せそうに微笑んだ。
ママはあの人と結婚しただけあってすごく美人だ。


「シェリちゃん、お話しよーよ」


ママはにこにこと微笑みながらソファーに座り、自分の隣をポンポンと叩いた。


「駄目だよ、ママ。今はちゃんと休み取らなきゃ。体持たないよ?」


私はそういって冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、ママに手渡した。
するとママは少しさみしそうな顔をしてこくりとうなずき寝室へと消えて行った。


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