ma Cheri


「よく寝たー。じゃぁシェリちゃん。ママ、がんばってきまーす」


そういってママはほっそりとした腕を突き上げ、にっこり微笑んだ。

そんなママに私は小さな声でがんばってとしか言えなかった。

こんな自分が大嫌い。でも変わるなんてこと、私にはできないんだ。

ぼーっとしているとチャイムの音が鳴り響く。

「シェリー!来たよー!ケーキ食べよ~」


ドアを開けると花のように笑う玲ちゃんと部活に参加しているはずの快がいた。

玲ちゃんはさっさと家の中に入り紅茶の準備をしている。

玲ちゃんは何回も来ているのでどこに何があるか完璧に覚えている。


「快…?どうしてここにいるの?部活は??」


私がそう問うと快はそっぽを向き、どもりながら休みだといった。

強豪であるうちのサッカー部に休みなど皆無。快はほんと優しい。


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